アイデンティティー

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インタビュー企画第6回:アマノ(Natsukage)

どうも。ふぁずです。今回は、名古屋で活動するバンド「Natsukage」の主宰、アマノさんにインタビューしました。今回が今年最後の更新になります。そんな今回も素晴らしい内容にする事が出来て感謝しかないです。多謝。

それでは、楽しみにしていた方も沢山いると思うので前置きはここまでにして、どうぞお楽しみください。

 


 

ーよろしくお願いします。

 

よろしくお願いします!

 

ーまず、最初の質問です。Natsukageというバンドを立ち上げて活動しているアマノさんですが、バンド名の由来は何ですか?また、以前は「fazethedaze」というバンド名で、「自身が大学生になったのを機に名義をNatsukageに変えた」とのことですが、もう少し名義変更に細かい理由があれば教えてください。

 

Natsukageという名前はKeyの「夏影 -summer lights-」という曲名からとったもので、自分はやたらと夏に因んだ曲を書いてしまうのでそこからぴったりな名前は無いかな、と考えたときにこの名曲のタイトルが浮かびました。また、他のバンド名の案として「Mikage」という候補があり、「~影」というバンド名にしたいと思っていたため、この名前の採用に至りました。
fazethedazeからの改名に関しては、まず自分のアルバム「My Lost Blue」を出すに当たって心機一転という部分もありましたが、fazethedazeという名前は自分が中学3年生のときに適当に思いついた名前なので、前々から変えようとは思っていました。

 

ーなるほど、ありがとうございます。確かにメロディや歌詞が、夏を想起させる楽曲が多いと感じました。

さて、Natsukageは今年8月に、新譜「My Lost Blue」をbandcampにてリリースされましたね。聴かせて頂いたのですが、歌詞が極端に難しい単語を用いてるわけではないのですが表現が抽象的な楽曲もあるな、という印象を受けました。特にその新譜の中でも「エウレカ」が好きなのですが、この曲のテーマやどのようなメッセージを含んでいるのか教えていただけないでしょうか?

 

エウレカ」はズバリ、交響詩篇エウレカセブンを見て出来た曲です。自分は深刻なアニメを見るとかなり心にダメージを負うというか、色々考えすぎてしまうタイプなのですが、勿論エウレカセブンもその例外ではなく、とても大きい影響を自分に与えました。歌詞の中に出てきたり、タイトルにもなっている「エウレカ」とはエウレカセブンのヒロイン、「エウレカ」のことで、作曲した当時の自分は彼女を本気で好きになってしまいました。ですが、勿論彼女に逢って思いを伝えたり、恋人になったりすることはできません。馬鹿みたいな話ですが......
なので、そういう感情を曲に込めて昇華しよう、乗り越えようと思いました。この曲は、「伝えることが出来ないもどかしさ」、「エウレカセブンの世界観」、「エウレカに対する想い」がテーマとしてあり、特にアニメの世界観をどう落とし込むかをもう一度アニメを見たり、曲のアレンジやメロディーを変えたりして考えました。結果、完成するまで半年ほどかかってしまいましたが、とても納得のいく曲が出来たと自負しています。

 

ーなるほど、並々ならぬこだわりがあったのですね。では「エウレカ」はNatsukageの代表曲といっても過言ではないのではないでしょうか。すごく偉そうな言い方にはなってしまいますが、聴いていてエウレカの、作品としての輝きは一味違うなと感じました。

 

そうですね。時間をかけた甲斐もあり自分でもかなり気に入っていますし、身内でもカバーしてくれる人が何人も居たりして、とても光栄なことだと思っています。

 

ーカヴァーして貰えるの、とても嬉しいですよね。さて、Natsukageの曲を聴いていて、「ジャンルはシューゲイザーグランジ寄りなのかな?」と思ったのですが、やはりそういったジャンルのバンドから影響を受けていらっしゃるのですか?

 

自分はNatsukageをポストハードコアやエモだと言い張っているんですけど、今までで自分が出した曲は高校生のときfazethedazeとして作った曲なので、中学生や高校生のときの音楽の趣味がかなり反映されているんですよね。グランジはあまり聞いていませんが、当時はHenry Fiat's Open SoreやThe Mummiesなどのローファイなガレージロックやハードコアパンクを聞いていたのでそれらの影響かもしれませんね。
シューゲイザーはNakanoiseバンドやRingo Deathstarrを聞いていて、特にNakanoiseバンドに関しては自分にとても大きな影響を与えたバンドなので、シューゲイザー要素に関してはほぼ彼らの影響と言っても過言ではありません。

 

ーああ、なるほど。エモはすごく分かる気がします。そして、ジャンルは名乗ったもん勝ちですね。アマノさんの音楽の趣味は結構コアというかマニアックですよね。他に影響を受けたバンドや、今気に入っているバンドはありますか?

 

そうですね......自分のルーツとしてbloodthirsty butcherseastern youthは絶対に外せません。彼らからは音楽でも歌詞でも影響を受けていて、「開放弦ってこんなに良い響きがするんだ」「歌詞が日本語でもこんなにかっこいいんだ」という気付きを与えてくれました。
更に今の自分の音楽の趣味の土台になっているのが彼らなんですよね。というのは、ポストハードコアやエモという言葉を知ったのは彼らからで、彼らが影響を受けたバンドとしてFugaziがよく挙げられるのですが、そこからFugazi他ポストハードコアを聞き始めました。
また、自分の最も好きなバンドのAt The Drive-Inは、eastern youthとツアーか何かをしていて、そこから知ったんですよね。自分のフェイバリットであるeastern youthとツアーをしてるってどんなバンドなんだろうって思って聞いてみると、鉄を叩きつけるような圧倒的エネルギーに衝撃を受けまして、自分でもわけが解らないぐらい好きになってしまい、ボーカルのセドリックとギターのオマーに憧れ、アフロに髪型を変えてみたり、音作りを完全に真似してみたり、最近は一気に3曲丸ごとカバーしたりしてしまいました。
そういった意味でもとても大きな影響をブッチャーズやeastern youthからは受けています。

 

bloodthirsty butchers......彼らが世のバンドに与えている影響は計り知れませんよね。そして、こうしていくつかのアマノさんが影響を受けたバンドを挙げて頂いて「確かに!」と、思いましたね。でも、しっかりとそれぞれのバンドのいいとこどり+、しっかりNatsukageのアイデンティティーが存在してると思います。

 

ありがとうございます!ルーツを大事にするのはとても大切なことだと思っているので、そう言って頂けると光栄です。

 

ーさて、そんなNatsukageですが、現時点での最新音源は既存曲の再録・再ミックスをしたものですよね。今現在、新曲や新譜の製作予定、リリース予定などはありますか?

 

今はカバーをして修行とか言ってるんですが、来年には何か音源を出したいですね。アルバムを作る段階で「合わないな」と考えアルバムからは抜いた曲や、大学生になってから作った曲が入ったEPを出す予定です。「My Lost Blue」は元fazethedazeのメンバーが参加していますが、次に出す音源では、色んな人を誘って音源に参加して貰ったり、大学の友達を誘って何か出来たら面白いなと思っています。
また、自分は「アイデンティティー」で初回にインタビューされた飴宍飴美(アプサラス)と親交が深く、いつかアプサラスとスプリットを出したいと計画しています。アプサラスも自分のお気に入りのバンドの一つであり、彼らからの影響も消化したような曲をスプリットでは出したいですね。

 

ーなるほど......とても楽しみです!アプサラスとのスプリットが実現した際、当ブログで是非取材させて頂きたいなと思いました(笑)ライブの予定などは考えてないですか?

 

ええ、そのときは是非お願いします!
ライブに関しては活動がインターネット中心なのであまり実現の可能性は見えて来ませんね... ある程度頼れる人はいるものの、まだ自分の腰が重くやる気にはなれないというのが実状ですね。しかし、もしやるなら身内を集めてスタジオライブをやりたいです。自分はライブハウスという社会が好きでは無いし、何よりもエモやポストハードコアのライブを見ていると客とバンドが同じ目線で、更に唾が飛んでくるような距離に居るんですよね。「これを見て何も思わないやつは音楽をやる資格は無い」という暴言まで飛び出したPenfoldのラストライブのようなものを理想としています。

 

www.youtube.com

Penfoldのラストライブの模様を撮影した動画

 

 ーおお、ありがとうございます!
なるほど、スタジオライブ見てみたいので楽しみにしてます。そしてPenfoldのような素晴らしいライブが実現できることを祈っています。
それでは、以上でインタビューを〆させて頂きます。ありがとうございました!

 

ありがとうございました!

 


 

続いて、アマノさんの機材を見ていきましょう。

 

アマノ's Equipment

 

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メインギターは、Fender USA Jaguar 1962 reissue。Natsukageの楽曲のギターはほぼ全てこのギターで録音しているそう。

高校1年生のときに中古で購入したもので、ボリュームポットをトグル式のキルスイッチに交換し、プリセットトーンの回路も外してある。

気に入っているところはトーンノブと「The World is a Beautiful Place & I am No Longer Afraid to Die」のステッカーだそう。

 

 

 

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 ベースはLEGENDのプレシジョンベースタイプ。自分の音源で、人に弾いてもらったものを除いてベースはこれを使っているそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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録音時に使うエフェクターは、左からMXR Micro Preamp、BOSS BD2、LINE6 M5。MXR Preampについてはオマー(At The Drive-In)が使っていたため購入したとの事。AIFのギターの入力の直前に挟んで使うそう。BD2については、アンシミュ単体で作れないジャキジャキした音を使うときに使っている。アマノさんの音源でのジャキジャキした音はほぼこれを使って作っているそう。M5ではアンシミュでエフェクトが足りないときに使っている。

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マイクはAUDIX OM3。高校3年の時に購入して以来愛用しているそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

その他の機材は下記。

 オーディオインターフェース:スタインバーグ UR12

プラグイン:Amplitube 4、EZDrummer、MelodyneNomad Factory BusDriver

DAW:Reaper

ちなみに前述のエフェクター以外に、ギターとベースはAmplitube 4で音作りをしている。

 


 

 [アマノ]

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 名古屋のバンド「Natsukage」の主宰。

今年8月末にアルバム「My Lost Blue」をリリース。fazethedaze時代から通算3枚の音源をリリースしている。

 

 

 

 

 

 

 

[音源]

最新アルバム「My Lost Blue」

fazethadaze時代のbandcamp

fazethedaze.bandcamp.com

アマノさん個人のSoundcloud

soundcloud.com

 


 

今回の記事は以上です。筆者も個人的にNatsukageを推してるので、今後の活動が楽しみで仕方ないです。

というわけで、年内のインタビュー記事はこれで最後です。来年も是非ともよろしくお願いします。

 


 

インタビュー・編集:ふぁず